舞姫〜MaiHime〜

4,舞仲-Maityu-



教室に戻っても皆無言のままだった。

あたしも,何も言えなかった。

『…紅(クレア)…さん。は俺らの事どう思う?…最初から仲間なんて思ってなかった?』

口を開いたのは蓮樹だった。


“紅さん”


その言葉に傷ついた。

『…あたしは,最初は翔の為ならなんだっていいって思ってた。…だけど,時間が経つにつれて皆の事,本当に仲間みたいに思えた。…でも,もうここにはいられない。』

皆の事を仲間と思う。
でも,ここにいる意味が。
なくなってしまったから。

『…ここにいたいなら居ればいいじゃん。』

蓮樹はそういった。

『…俺等だって紅(クレア)の事仲間だって思ってるから。…今でもな。』


その言葉が嬉しくて。
嬉しくて。

あたしはまた。
涙を流した。

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