片思い?両思い?
茜さんを支えるとそのまま顔を覆って泣いてしまった。
・・・茜さん。
・・・やわらかい・・・・・・じゃねぇ。
思わず初めて触れた感覚に浸ってしまった。
「も・・ムリ・・」
泣きながら言った言葉にハッとする。
ムリ?
ムリって・・・どういうことだよ・・・。
茜さん・・って声を掛けようと思ったら
「用がないなら帰れば?」
また、お前か小渕!!
その言葉を聞いた途端に茜さんは走って行ってしまう。
「茜さん!」
追いかけようと思ったとき、
「俺が行く」
兄貴が俺の肩を掴んだ。
こんな時だけ、彼氏面しやがってムカつくんだよ!
「何やってんだよ!?泣かすようなことしてんじゃねーぞ!?」
胸座を掴んでやろうかと思ったけど、
「うるせぇ!わかってるよ!!」
俺を睨む。
・・・泣きそうな顔してんじゃねーよ・・。
兄貴はそのまま茜さんを追いかけに行ってしまった。
残された俺と小渕はしばらく口を開かなかった。
沈黙を破ったのは俺だ。
「小渕・・・これで満足なのか?」
「・・・・なにがよ・・・」
「何がって・・・・」
小渕をみると・・・こっちも泣きそうな顔をしていて・・・
ああああ・・・もう、どうすりゃいいんだよ。
その時、兄貴が走って戻ってくるのが見えた。
「茜さんは?」
俺の問いに
「電車に乗った。バイクで追いかける・・」
と言い残し、また出かけていった。
「・・・入れよ」
とにかく外で待ってても仕方ない。
俯く小渕を家に入れて、待つことにした。
小渕も何も言わず、家の中に入った。