君に染まる(後編)


殴りかかろうとする管咲さんのお父さんを制止したのはさっきまで私の横にいたはずの畠山さんだった。


「管咲様、それは度がすぎるのではありませんか?」


優しい、けど…低い声で管咲さんのお父さんをなだめる。


畠山さんに腕を掴まれた管咲さんのお父さんはチッと腕を払う。


「とにかく、今回のことは君のお父さんに報告する。対応によっては今後の獅堂との契約はないものと思え」

「お好きにどうぞ。報告されて困ることは何一つしてませんから」

「君は、獅堂と管咲の仲を軽く見すぎている。管咲との取引がなくなれば獅堂は莫大な儲けを失うんだぞ!?」

「そんなの痛くもかゆくもありませんけど」


「何!?」と管咲さんのお父さんがまた興奮し始めるかと思った、その時だった。

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