運命の恋~先生を抱きしめたい~
「おまえのまえだけでは
俺は情けない男になれる……
本当の俺をさらけ出してきた……
一カ月の間
俺はおまえに全部見せてきた……
同情がそんなにいけないものか?
愛がなければ同情は同情で終わるし
そこに愛があれば
それだって真実なんだろう?
俺はおまえにずっと同情されてきた…
それが情けなくもあり
でもそれが本当の自分だったり
そのうちに全てが楽になった………
俺は同情されても情けなくても……
自分をこれからもさらけ出していく……
一人になったらさびしいし
おまえがいなかったら
何をする気も起きないし……
今の俺はおまえが全てで……

おまえに抱きしめてもらいたい

って思っている……
情けないだろう?
男のくせに……子供みたいに……
だけど…おまえが俺を救ってくれた……
おまえの愛がなかったら
俺はまだ…現実を見られなかった……
生きていることに
輝きさえ見えなかった……

おまえが同情されるのがいやでも
俺は同情されたい……
おまえが俺を抱きしめてくれればいい
そばにさえいてくれたら
それだけで俺は幸せだから……」


泣きじゃくる紅に言葉が
届いてくれと祈る・・・



「それが愛ならいいじゃないか?
恐れたり悲観するものじゃないよ。
優しくなれたり
相手の気持ちになれたりする……
お互いを想いやれれば…
こんなすげー愛はないだろ?」


俺はまた紅を抱きしめた・・・・。
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