グレーな吐息~せぴあなタメ息③~

・・・痛いんですけど。

「そうか・・・」

言いながら、悟の方を振り返る。

「だから、わざわざ送り迎えを買って出たのか。

役得をしっかり利用して」

「・・・いやそれは、オレが彼女に、

今日のこと頼んだので、責任上」

「責任上だあ??」

武藤が豪快に笑う。

「まあ、そういうことにしておいてやろう。

いやあ、この方がずっといい。

この格好で歌ってくれればよかったのに」

「いや・・・これは、『ルシアン』の命令で」
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