姫密桜
「サクラ?
 
 お前、どこに
 誰と行く?
 
 マキは・・・」

「友達と・・・
 
 いってきます」

「待ちなさい
 マキと出掛けるのか?
 サクラ・・・」

桜の手を握り締める父。

そんな父を真っ直ぐに
見つめ、桜は言う。

「お父さん
 一生のお願いです
 この手を放してください」

桜の声が、悲しい声に変わる

「お願い・・・
 最後に、するから・・・
 
 もう二度とマキと二人で
 出掛けたりしない
 
 最初で、最後だから・・・」

最初で、最後・・・

力無く解ける、父の手。
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