レイコーン

訓練場はニコスの控室の隣にあって309号室と名前が付いている。
扉を開くと、訓練場には人形が何台も置かれていた。

人形は藁でできた変なかかしだ。
部屋の中央には大きく魔法陣が描いてあり、一体だけ真剣を持った人形が置いてあった。

「あれ?ほかの受験者がいないな。ここで試験あるはずなんだ。」
 

ニコスは近くにあった変なかかしに触れながらマールに言った。
 

「これ、特訓かかしって言うんだって。」

「え?」

「額のボタンを押すとその人の力に見合った課題を与えるんだってよ。」

「それ、試験科目?」

「らしいね。さっきまでいた他の兵士希望の人がそんなこと言ってたんだ。」 

「ふ~ん?」

「騎士になるにはLv2以上をクリアして隊長との実践演技を見せればいいんだって。ちなみにこの藁人形タイプは最高レベルは10らしいけどね」

「見てLvがわかるの?」

「ボタンを押すと額に魔法文字が出るんだLv~ってさ。」
  
「ニコスはどれくらいのLv?」

「5。」

「5?ってことは余裕?」

「そうとも限らないよ。マスターの紹介状もあってか相手はあの爺さんだから。」

「そっか・・・。」

「マール、君も試してみない?この特訓かかし。」

「ほらっ!」

そう言いニコスは近くにあった木の剣をマールに渡した。木の剣は両刃の形をしていて丁寧に彫られているものだった。

「これで叩くの?」

「マール自分の剣ないだろ?それ使いなよ。ボタン押したあと、隙あれば叩くか地面の円陣から外出せばいいんだ。」
< 100 / 126 >

この作品をシェア

pagetop