レイコーン
老人は語る。
「すまんかったね、屋敷のツタは、常に眠りの粉を出してるのじゃよ。」
「・・・はぁ・・・。」
マールは置物だとばかり思い込んでいた老人に
面食らっていて返事らしい返事ができない。
大体、眠りの粉って何だ?
「あぁ、自己紹介がまだじゃったな。わしはこの館の主人で、魔法の世界カルディアの研究している者じゃ。ドクと呼んでおくれ。ニコスはマスターと呼ぶがね。」
「はぁ・・・あなたがマスター?」
ドク=博士・・・か。
この人が人食いなのだろうか?
ともそうは見えない。
主食はカリカリのパンって感じだ。
「あの・・・、僕を食べるんですか?」
いきなり疑問の核心に触れるマール。
老人は豆鉄砲でもくらったかのような顔をした後、しばらくして笑った。
「ハッハッハ、あのいたずら猫から聞いたのかな?」
(・・・いたずら猫?)
マールは、ぼそっとつぶやく。