レイコーン
マールはニコスが腰に剣を携えている事に気がついた。
ニコスの腰を指差し言う。
「ドクからの贈り物って、腰につけている剣?」
「そうさ、さっきマスターのなじみの楽器屋で貰ってきたんだ。」
「…?剣は楽器屋で売ってるものなの?」
「この剣は特別なんだよ。」
ニコスはマールに剣の柄を見せた。
柄は猫の横顔をイメージしてデザインされていて細身だ。
刀身がきっちりはまっていないのかカチンカチンと音を立てている。
「はい、マール。これ、後でリリーに与えておいて。」
ニコスは手に持っていた薄い本をマールの前に差し出した。
「これは?」
「この街周辺のガイドブックさ。ついでに買っておいたんだよ。リリーが食べればいつでも地図の機能も果たすし、お得情報もわかるしね!じゃ入城するから黒焼きタマゴ頂戴。」
ニコスはマールから黒焼きタマゴを受け取ると、さっきの衛兵のほうへもって行った。
「2人入ります。」
「献上品は?この黒焼きタマゴかい?ずいぶんと、量があるな。」
「えぇ、皆さんに食べてもらおうと思って彼が奮発してくれたみたいです。」
「そいつは助かる。衛兵達はいつも腹をすかせていてな。とくに黒焼きタマゴには目がないのだよ。君たち、試験を受けるのかい?2人とも20歳を越えているようには見えないけど?」
「いえ、彼は声援です。」
「そうかい、わかったよじゃあまず、王の間へ。」
衛兵は門のところへ行くと大きな声を出し鎖を引いた。
「開門」