レイコーン
衛兵が声を上げると同時に、マールの期待は高まった。
目の前にある大きな扉が開くのが楽しみで仕方がない。


『パタン』


そんな小さな音を立て
大きな門の横に取り付けてある、小さな扉が開いた。


「あれ?あっちの門は?」
 

ニコスは答える。
 

「アレは、王族専用だよ。毎回やってくる兵士志望者のためにあんな大きな門は開けられないさ。」



期待を裏切られ、マールは少し肩を落とした。
カシャンカシャンとすれた金属音を音をたて、鎧を着た衛兵が案内する。


「こちらへ。この道をまっすぐ行けば、王の間へと続きます。」
 

衛兵の案内した石畳の道の奥にはい立派な宮殿がある。
中央には噴水、噴水を囲うように石畳の道は伸びていて全体を囲うように四方に池がある。
まるで、冷たい水の出るシャワー室にいるような感覚、砂漠の真ん中にある城だってことを忘れてしまいそうだ。


「すごい水の量だね。街ではほとんど水気を感じなかったのに。」
 

「この国の王は代々、この水の管理をしてきているらしいな。」


「詳しいね。」


「さっきリリーに渡したガイドブックに載っていたよ。」


「・・・そう。」
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