レイコーン
城の中は実にシンプルだ。
天井は高く、まるで薄いカーテンでもしいてあるかのように光が差し込む。

王の間へ続く回廊が続きただ一直線に伸びていて、
回廊の中央には赤いじゅうたんがしいてあり、そのじゅうたんの脇にはさまざまな像が置いてあった。
猫や人をかたどったものさまざまだ。どれも、これもすばらしい出来。

 
「城の中なのに、人はあんまりいないんだね。それにしてもすごい石像。」


マールはそう言い、手に持っていた大きなタマゴを床に置くと、感心したのか石像の顔や足、胸にいたるまでぺたぺたと触っている。

 
「おい、マール。あんまり彼らに触れるなよ。」



ニコスはマールを指差し、低めの声でマールに注意する。

 

「彼ら?」

 

石像を彼と呼ぶなんて、ニコスは何を言っているのだろう?
そう思っていると石像が笑い出した。

 

「はっはっは。やめてくれよ。お客人。」

 

マールはギョッとした。石像が豪快に笑うのだ。
 

「キミら、兵士志願者だろ?王の間ならこの先さ。迷わず進みなさい。」


マールはコクッと頷くと、じっとニコスの方を見て何かを訴えている。
 

「あのな、マール。彼らは、石の番人ストルック族だよ。」
 
 
「ニコスは、そんなこと何でわかるのさ?」

 
「だって俺、この国出身だもん。わかるさ。」
 

この一言に、マールはものすごく納得してしまった。
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