呪いのテディベア Ⅱ
「お、嬢様?」
オウム返しに聞く。
「そうです。お嬢様。」
低い声は私をお嬢様と呼ぶ。
変だと思う。普通に。
「おかしいですか?」
低い声は言う。
「うん。だって、私、
お嬢様なんて地位にいないし。」
「では何とお呼びすれば?」
「さあ。好きに呼んで。」
「では、ご主人様なんてどうでしょう?」
「んー、まあいんじゃない?」
少し考えて、言う。
お嬢様よりはいいかな。なんて。
「で、貴方は何て呼べば?」
逆に聞いてみる。
「あなたが決めた
赤いテディベアの名前で。」
そう言いながら、
正面に立つ誰かが恭しく礼をした。