二度目の初恋
「…あ、もうここでいいよ。ありがとう。」
聞きたいことがさらに増えていたけど、
とりあえずお礼を言った。
すると叶多は
「いや。もうひとつ話すことがあるから。」
そう言ってエレベーターに乗り込んだ。
「もうひとつ話すこと?何?」
話かけたのに
私の家がある階のボタンを押して
黙ってしまった。
「ねぇ、なに?どうしたの?」
腕を揺すっても答えない。
その時エレベーターが目的地に着いた。
叶多はすたすたと歩いていく。
(もー…意味分かんないし)
ため息をついて追いかける。