TO-KO
「…あの、お食事の用意は既に出来ているはずですから…ラーグに叱られないようにお早めに食堂に行かれたほうがよろしいですよ?」
瞳子は控えめに二人の間に割って入った。
すると、二人はほぼ同時にこちらを向いた。なんでそんなときは息がピッタリなのか、問いたくなった。
「…ーラーグ。…ああ!!ヤバいラーグはヤバい!!早く行くぞ!マチルダ!!」
「り、了解!!」
シオンは脱兎のごとく長い廊下を駆けていく。
瞳子の作戦勝ちのようだ。
勿論、マチルダもそれを追い掛けて走っていった。瞳子は安心して次の仕事に取りかかろうとしていた。
「……ああ、トーコちゃん」
「え?」
廊下の中腹には、走っていったはずのマチルダが振り返ってこっちを見つめている。
瞳子は訳がわからず、それを見つめ返す。
「僕、君を信用してないから」
一言、マチルダは言って去っていった。
マチルダが見えなくなった頃、その場で立ち尽くしていた瞳子は言った。
「…そんなのとっくに分かっていますよ。マチルダさん」
瞳子は蜂蜜色の瞳を一瞬煌めかせ、踵を返した。
瞳子は控えめに二人の間に割って入った。
すると、二人はほぼ同時にこちらを向いた。なんでそんなときは息がピッタリなのか、問いたくなった。
「…ーラーグ。…ああ!!ヤバいラーグはヤバい!!早く行くぞ!マチルダ!!」
「り、了解!!」
シオンは脱兎のごとく長い廊下を駆けていく。
瞳子の作戦勝ちのようだ。
勿論、マチルダもそれを追い掛けて走っていった。瞳子は安心して次の仕事に取りかかろうとしていた。
「……ああ、トーコちゃん」
「え?」
廊下の中腹には、走っていったはずのマチルダが振り返ってこっちを見つめている。
瞳子は訳がわからず、それを見つめ返す。
「僕、君を信用してないから」
一言、マチルダは言って去っていった。
マチルダが見えなくなった頃、その場で立ち尽くしていた瞳子は言った。
「…そんなのとっくに分かっていますよ。マチルダさん」
瞳子は蜂蜜色の瞳を一瞬煌めかせ、踵を返した。