アイ・マイ上司とlove★battle
そうして通話終了ボタンを押すと、急いでホームからクルリと踵を返して行く。
告白されたのは私なのに…、今はもう私の方が絶対に気持ちが勝ってると思うの。
輝みたいに余裕も自信も全く無いし、すぐに不安になるのもやっぱり私だけで。
さっき見た2人の姿がチラついたけど…、フルフル頭を振って誤魔化してしまう。
「考えたって、答えなんか出ないもん…」
おバカな私が1人で考えても埒が明かないし、どうせ最後は泣きたくなるだけ。
ちょうど今居る駅にあるバーを目指し、早足で来た道をひとりリターンして行く。
取り敢えず、早く輝に会いたい…、昼間のモヤモヤ感を払って欲しいから・・・
「っわ…!」
すると突然に後方から強い力でグイッと腕を掴まれ、驚きでよろめいた私。
「なーに、ブツブツ呟いてんの?」
「え!?」
クスクス笑って尋ねられた声色で、目を丸くしつつも振り返ってみれば。
「驚かせるつもりだったんだけど…、鈴ちゃん鈍すぎ」
「な、んで・・・」
「んー、寂しがり屋の彼女を泣かせたから」
「っ・・・」
いつも通り優しく答えてくれた輝に、そのまま胸へと押し込められてしまった・・・