アイ・マイ上司とlove★battle
だけど大切な人の事は黙っていられない。ううん、黙っていて良いワケ無いよ。
「アンタ…、ホントにバカね」
「はい。今さら直りません」
フッ、と鼻で嘲笑した笹森さんに、ニッコリ笑って返すのが私なりの戦い方。
大好きな人の為だったら、百万馬力のパワーを出して絶対に負けたくないもん。
素直に生きるほどバカをみても良い…、これが他でもない“私”だから・・・
すると私たちの横を通り過ぎて、先に社長室のドアへと手を掛けた笹森さん。
「…バカップルに付き合うだけ、時間の無駄だったわ」
「ソレ…、大平さんにも言われました…」
輝に担がれたままの私が、その言葉にハハハ…と苦笑しながら答えると。
「それなら、アノ男も大概バカね…」
呆れたように力なく笑っている後ろ姿は、何だか悪い人には見えなかった。
「笹森…、ごめんな」
「輝…ソレ、一番女のプライドを傷つけるわよ。
私は…、謝らないから――」
決して最後まで後ろを振り返らず、その言葉を残して去った彼女はきっと。
一夜限りで終わった輝との再会によって、本気で愛していたのかもしれない。
謝らないと言った笹森さんの様子は、きっと精一杯の強がりだと思うから…。