ガラス細工の花と機械仕掛けの白の翼


胸が嫌な予感にざわざわとざわめいた。
焦りのあまり、凄い勢いで扉を開ける。その反動で扉は壁に叩き付けられた。



ぶわっ。と、吹き付ける強い風。
窓の前で空を見つめる少女の金色の髪が美しく靡き、太陽の光に反射して光り輝いている。



彼はその背中に翼を見た。
気がした。



少女はゆっくりと振り返ると、柔らかく優しい笑顔を浮かべた。



「ありがとう…」



小さな声だが唇はハッキリその言葉を紡いだ。



「待って、だめだ」



彼はふらふらと少女に近づいた。
しかし少女は窓枠に腰を下ろし、こちらを見つめたまま後ろへと体勢を倒した。



「待ってッ!!!!」



彼の腕は少女の身体を掠っただけで、少女は視界から姿を消した。


そして、次の瞬間。


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