ガラス細工の花と機械仕掛けの白の翼
それから、もう何時間経ったのだろうか?
歩けど歩けど塔も湖も見あたらない。
少年の話では森に入り30分もしない内に辿り着いたと言うのに、陽は傾き赤く燃えたぎっている。
彼は精神的にも肉体的にも疲れ果て、木の根に腰を下ろした。
何時になれば出逢える?
何時になれば助け出せる?
何時になれば泣くのを辞める?
彼の頭の中は少女の事でいっぱいだった。
気持ちばかりが焦りイラ立つのに、一向に辿り着けないもどかしさ。
彼はまた小さくため息を吐いた。