”未完全”
「綾乃、おはよう、あれっ、髪の毛、パーマ?
化粧してる?」
有美香が、息をきらして、走ってきた。
いつも、有美香は、朝ぎりぎりで、走っている。
今日はまだ、時間的には、早い方だ。
「違うよ、巻いてみたの、マスカラしかしてないよ、
気分転換。」
綾乃は、そう言った。ただ、学校に髪を巻いて行くのは、
初めてだったので、少し、照れくさい気持ちもあった。
でも、なかなか似合ってると、自分自身思っていた。
「綾乃ちゃん、可愛い!」
すれ違う同級生達が、声をかけていった。
綾乃は、そう言われるのは、とてもいい気分
だと思っていた。