キミの心の声を聞かせて
「いたいよ。おにぃちゃん。つねらないでもいいじゃない」
少し頬を膨らませていると
「るりちゃぁ~ん!あそぼうぉ~!」
ボールを持った小さい女の子に呼ばれて
瑠璃ちゃんは、シュンにベェーと舌を出して友達のところに駆け出して行った。
「チェッ。何がベェーだよ。可愛くねぇ~の」
肩をすくめて毒づいた言葉を吐くシュンだけど、瑠璃ちゃんを見つめる瞳が優しく感じた。
「シュンって、優しいんだね」
「あっ?俺が?別に。優しくなんかねぇ~けど」
「ふぅ~ん。そうなんだ」
優しいねと言われたのが照れくさかったのか。
シュンの頬は、少しだけ赤く染まっていた。