キミの心の声を聞かせて
「じゃ、俺、帰るわ。またな智樺、雄大」
「えっ?シュン、帰るの!?」
雄大先輩と2人きりになるのが怖くて、シュンを引き留めようとするあたしに
「ちゃんと話せ」とあたしの頭に自分の頭をコツンとぶつけた。
「イタッ…」
シュンは、微妙な距離感に戸惑いを感じている、あたしと雄大先輩を置いて
手をヒラヒラさせながら帰っていった。
「帰っちゃった…」
ボソッと呟いたあと、ゆっくりと雄大先輩の顔を見たら
「あのさぁ…ちょっとだけ、話しあるんだけど…いいか?」
少しだけ俯き顔にかかった前髪の間から真っ直ぐ見つめられて言われた言葉に
小さくコクンと頷いた。