泣き虫なキミ
「わかったから、貸して」
私は爽の針と糸を手に取ると
簡単に糸を通した。
「はい、どーぞ」
「わあ!茜ちゃんすごい!天才だね?」
そう言ってニコッと笑う爽はとても可愛いと思う。
この私でも、この笑顔を見たら…
って、何考えてんのよ私。
すると、コチンッと頭に何かが当たる。
…またか。
最近多いんだよね。
爽はあの可愛さでモテるから。
爽のことを好きな子が
たまに私に嫌がらせをしてくる。
私、好きでお姉ちゃん役
してるわけじゃないのになぁ。
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