メガネの裏はひとりじめⅠ
「あ、あの、ですね!」
『う、うん!』
「えっと、あの!」
『うん!』
「あ、あの、」
『なにー!?』
「え、ええっと…、」
『(早くっ!早くっ!)』
「〜〜っ、…す、す」
「――きなわけねぇだろ!!」
突如、いきなり。いや、もうこんなこと起こるなんて一つの卵の中に黄身が二つ入ってたときと同じぐらい予想もしなくてびっくりなんだけど。
聞き慣れない高い声が男の子のセリフを遮り、そのセリフを遮られた男の子は、
「ぐぇっ!」
爽やかさのカケラもない、蛙が潰れたような声を出して地面に突っ伏せた。ばったりと。
『…!?』
ななななんだなんだ!?どうした!?ほんとになに!?怖いんですけど!!
倒れた男の子を見下ろすあたしの顔はひくひく。ひきつりドン引きである。
胸に当てる手にはドキドキ。心臓が騒がしく脈打つ鼓動が伝わってくる。
このドキドキは、道留君にときめくときのドキドキではない。
当たり前だが、男の子がいきなり倒れてきて"なんだ!?お化けか!?幽霊ホラーか!?やっばいなおい!"なんて、興奮してのドキドキでもない。ていうかお化け嫌い。
予想外すぎる出来事にびっくりした、からのドキドキだ。