騎士はキミに恋をする
不意に、自分の両の瞳から
温かい液体が流れ落ちた。
その温かい液体は頬を伝って、
ぽたっ、ぽたっ、と
ベルトに落ちて小さなシミを作った。
「まだ、泣けるくらいに
心が閉じ切っていないのなら、
あがけ。
誰かのためにじゃなく、
自分のために、
懸命に。
無様にあがけ。」
「…あ、ぅっえ」
嗚咽が口から洩れそうになるのを
懸命にこらえながら、
私はその人の目を見た。
「そのチカラを自分の物にした時、
お前はだれよりも強くなる。」
胸倉を掴んだまま
言うような言葉ではなかったが、
そんなことは関係なく、
私の心の鍵をすんなりを開けた。