騎士はキミに恋をする

「だったら、何で知ろうとしない?!」

不意に怒りを孕んだ声が
私の耳を突き刺した。

声の主は私の胸倉を掴んで、
怒りに満ちた双眸で
私の目を真っ向からきつく睨んだ。

体中が痛い。

今までベットに縛り付けていたベルトが
私が胸倉を掴まれ、
ほんの少しだが持ちあげられたことによって、

私をベットに縛りつけようと
精一杯抵抗していたからだ。

驚き、おののくばかりの私に
その人は怒りを言葉で吐き出した。

「そんな大きな力、
 放っておけば誰かを確実に傷つけ、
 己さえも傷つけるだろう!」

何故かその声は私の冷え切った心に
すっ、と入ってきた。

「お前はあの時正気に戻って
 見たあの惨状をなんとも思わないのか?!」

血の海に沈んだ貴女が目に浮かぶ。
 
「あの中には
 お前が愛する友人もいたのだろう?

 例え、本当は敵同士だったとしても、
 お前が唯一愛した友人なんだろう?!」

最後に笑っていたけど、
あれは微笑んでいたのかな。
それとも、嘲笑っていたのかな。

「何で制御できなかった。
 しようとしなかった。

 お前がそんなだから
 お前は友人を殺したんだ!!

 だから…!」



 
 





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