元気あげます!巴里編
「私は水着で雑誌に載るわけじゃないのに・・・。」
そんな話から千裕が隅田に取材を受けると告げたところ、話はぜひ聞きたいという返事だったが、記事はひかるのままだと隅田は言いました。
そうなると、結局話は平行線となり、ひかるが隅田に付きまとわれる日は続きました。
「隅田さん、もういい加減にあきらめてくださいよ。
写真ももうそろっているんでしょう?
何でもお好きに書いて売ればいいじゃないですか。」
「へぇ、お金目当てに千裕ぼっちゃんに近付いたと書いてもいいのかい?」
「いいですよ。誰にどう思われようがかまいません。」
「強いねぇ。その自信はやっぱり千裕様への愛かな?」
「真実は1つだから。うふふ・・・」
「その真実のところを聞きたいんだけどなぁ。
千裕さんは話してくれる代わりに自分を取材しろって言うしな。」
「どうしてダメなんですか?」
「だから・・・シンデレラストーリーは苦難の道でないと・・・。
読者がとびつかないでしょ~」
「べつに苦難なんてないし・・・」
「へ?そうなの・・・」
「苦労して好きにならないといけないものなんですか?」
「え・・・なんか調子狂うなぁ・・・。
僕だけがすげぇ、思い違いしてるかのような口ぶりをするんだぁ。」
「ほんとに些細なことなんですもん・・・。
隅田さんだって恋愛の始まりってちょっとしたことから始まってませんでしたか?」
「そういわれると・・・そうかもなぁ。
いい娘だなって思うときはほんとに些細なきっかけだったかもしれない。
でもさ、君たちの場合って例えばきっかけが大したことがなかったとしてもだよ、不自然っつ~か、失礼を承知で言うけど、不釣り合い部分が多すぎるんだよ。
2人が愛し合っても周囲が許すわけないだろ・・・ってね。
そこがどうして突破できたんだろう?」
「そんなに不釣り合いに見えますか?」