元気あげます!巴里編
「な、何?」
「外国で修行を積んでくると、どうやってそんなにずぶとくなるんだかな。」
「ひどぉ~い!私だって三崎の人間になるために、がんばってきたのに。」
「あはは、すまん、ひかるのがんばりは誰よりも俺が知ってる。
あっと・・・じゃあ予定だけざっと言っておくからな。」
「はいっ」
「明日、記念すべき1号店を見に行く。
箱モノはほぼできあがっているんだ。
前に、ひかるが店のイメージの絵を描いていただろ。
あれをもとに、学校の近くに建ててる。」
「へぇ、学校の近くなら、学生が結構来るよね。」
「店を見てもらったら、その後はしばらく結婚式の準備優先な。
それは親父命令だから・・・。」
「うん。」
「で、結婚式はさっさとやるけど、披露宴は未定だ。
旅行も未定。
店の都合とひかるの意見をきいてからと思ってな。」
「結婚式の2日後に、従業員が店に来る予定になってる。
打ち合わせや実際に働いてもらってみて、ひかるがやりにくい相手だなって思う人は採用しなければいい。」
「えっ・・・でもそれじゃ・・・なんだかお気の毒そう。」
「そんなこと言ってたら、店は発展しないぞ。
従業員が大切な前にまず、お客様だろ?」
「そうですねぇ。ふぅ・・・」
「とにかく店がうまくいく兆しをみせてくれないと、俺たちの暮らしがだなぁ・・・」
「暮らしが??」
「あ、もういい。とりあえず、予定伝えたからな。」
千裕はそれだけいうと、さっさと寝室にいってしまいました。
ひかるは、ちょっぴりつまらない気持ちでしたが、千裕が移動する前から手を握りこぶしにしていたのを知っていたので、気持ちは来週のことを考えることにしたのでした。