元気あげます!巴里編


「はぁ?・・・ま、やる気があることはいいことだな。
そこに座ってろ。
ミートパイとりわけてやるから。

あと、飲み物はジュースがいいか?
俺はコーヒー飲むけど。」


「えっ、そんなことは私が・・・」


「遠慮するな。ずっとぐるぐるやってたから、手が痛いだろ。
さぁ、どうぞ。」


「あ、ありがとうございます。」




夕方になって、ひかるが屋敷にもどると、ひかりが笑顔でひかるの帰りを待っていました。

「どうしたの。何かあった?」


「いいえ、セルジュさんはもう帰られました。」


「何か、嫌なこと言われたの?」


「いいえ、ひかるママの言ったとおりです。
セルジュさん、すごくいい人でした。
ひかるママのミートパイも置いてあります。」


「ひかりちゃん、もしかして・・・セルジュさんのこと。」



「いえ、私はまだそんな資格ありません。
ひかるママみたいに、がんばって腕を上げたら兄弟子職人をアゴでこきつかえるようになるからって言われたので、私がんばりますっ!」


「うふふ、そうなの。」


「あの、フランス人男性って抵抗なくお給仕とかしてくれるものなんですか?」


「まぁ、人それぞれだと思うけど、日本人男性よりは抵抗はあまりないみたいだと思うよ。
えっ・・・もしかして、セルジュさんにパイを取り分けてもらって、飲み物とか用意してもらったとか?」


「ええ・・・まぁ。私、そんなことしてもらったこと家族にだってないから、びっくりしちゃって。」


「そういうとこマメだからねぇ。私もびっくりしたなぁ。
でも、千裕様もそうだから、ひかりちゃんほどはびっくりしなかったかな。」



「ええーーー!オーナーもそうなんですかぁ?」


「そうよ。私が忙しくて倒れてたときなんか、自分も忙しいのに、ずっと夕食の用意してくれてたしね・・・えへへ。」
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