元気あげます!巴里編
「俺はこのまえ、出て行ってもどってきたときに、おまえがワァワァ泣いてるものだと思っていた。
帰れ!って怒鳴るのはさぞ気分が悪いだろうと思っていたんだが、おまえはとても楽しそうに混ぜてたよな。
正直いって頭がおかしくなったのかと思ったんだが・・・ほそっちぃくせに性根は男以上の強さがあるんだな。
((やっとあの方がこいつを推薦した意味がわかったよ。))」
「それはほめてもらってると理解していいんですよね。なんか、あまりうれしくないような・・・」
「うるせぇ、つべこべ言ってないで、粉でもふるえ!」
「は、はいっ」
叱られながらも、ひかるはとりあえず、1か月少しで工房に慣れてきた様子です。
工房を後にして、夜間と休日は経営学の専門学校へ通いました。
講義中に疲れて居眠りしてしまうこともありましたが、こちらもなんとかこなし、自宅へと帰宅しました。
「あぅ・・・」
いきなりベッドに倒れ込むひかるに、千裕は介抱しようとするのですが、そんなときひかるは、ピクッと起きだして、千裕に頭を下げました。
「ごめんなさい。すぐにシャワー浴びてきます。
ご飯も千裕様ばかりにさせて、ごめんなさい。
がんばって食べますから・・・。」
「ひかる、まだ慣れないからつらいんだろう?
謝らなくてもいいって。
食事はしてくれないと、確かに心配になるけど、しんどいときはお互い様だからさ、謝るのはやめよう。」
ひかるはシャワーをすませて、千裕が作った夕飯を食べながら工房での話をしました。
「私の性根は男以上って・・・褒め言葉に聞こえませんよねぇ。」
「ははははっ、いや、すごい褒めてると思うよ。
ひかるはガンバリ屋さんだから側にいる男の方がハラハラしちゃうかもしれないな。
ある意味、女なんて。って思ってる男は平静でいられなくなるんだろうね。
ま、そういう女の子を彼女にしたいと思うやつは、なかなかいないかもしれないがね。」
「千裕様もそう?」