元気あげます!巴里編
運転中、セットしていた携帯電話でひかるを救助したと連絡をいれると、スピーカーから千裕の声がしました。
「了解。ありがとう、感謝するよ。あとはこっちで仕留めるから、しばらくひかるのことをお願いしてもいいかな。」
「了解。けど、こういうことは、二度とないようにお願いしたいな。」
「すまない。」
ひかるはセルジュといっしょにセルジュのマンションに入りました。
「あっ、セルジュさん・・・腕から血が。」
「大丈夫、かすっただけだから。でもこれじゃ、明日仕事にならないな。
えっと、薬箱っと・・・。うわっ!あの・・・すまないが、ひかるは先にシャワーでも浴びてこれに着替えてくれないか。
俺のシャツだけど、そのままはマズイ。目のやり場に困るから・・・。」
「あっ!逃げるのに必死で、私ったら・・・。いきなりご迷惑をかけてしまってすみません。
でも、どうして、セルジュさんが助けにきてくださったんですか?
それにさっき千裕様とお話して・・・。」
「後で話すよ。まずはお互い一息いれないと・・・。」
ひかるはセルジュのシャツを腕まくりして、ワンピースのように着ました。
「かなり大きいですよね。あはは。ごめんなさい・・・。まきこんでしまって。」
「ひかるが気に病むことはない。ひかるだって、千裕とのつながりがなければ、狙われたりはしなかったんだからな。」
「それはそうですけど・・・。で、どうしてセルジュさんが私を助けにきてくれたんですか?」
「買い物帰りにひかるの姿を見たから、声をかけようとしたら目の前でさらわれてしまったんだ。それで・・・千裕に連絡して。」
「あ、ってことは・・・」
ひかるは自分の頭や耳を触ると・・・ピアスの表面に金属が貼りついているのを確認しました。
「やっぱり・・・。千裕様はここに迎えに来ると思います。
ピアスに発信器がついてました。ときどき超小型マイクもついてるときがあるんですけど、それはあまりにもプライバシーの侵害すぎるからってやめてもらったんです。」
「なんだ、それは! ひかるはそんなことをされてなぜ平然としているんだ。」