元気あげます!巴里編
「あの、僕がそのケーキを作ったパティシエの千裕といいます。
ほめてくださってありがとうございました。
しかし、その後のひかるへの無礼は見逃すわけにはいかないんです。」
「な、なんですか?あなたたちは・・・ひかるの上司ですか?」
「今日は上司でもありますけど、僕は彼女の婚約者です。」
「パティシエの挑戦くらい、私にとっては大したことではありませんけど。」
「はぁ・・・?あんた何か勘違いしてるな。
俺は三崎千裕で琴美さんからみて、孫だ。
彼女は水口ひかるが本名で、俺と結婚すれば、琴美さんの孫娘というわけだ。」
「なっ・・・」
ユウヤがひかるの方を見ると、ひかるが手を合わせてゴメンのポーズをしながら
「ごめんなさい。琴美さんが説明がめんどくさいから、私を三崎の孫で説明したんです。」
「そうでしたか・・・。ひかるは三崎の社員さんで一般人というわけですね。
それなら、話は簡単です。
私も婚約者に名前を連ねさせてもらいましょうか。」
「何!?その指輪見えないのか?」
「これはあなたが送ったんですか?
じゃ、私はもっと上質のを送りますよ。」
このままでは争いになりかねないと思ったひかるは、きっぱりといいました。
「ユウヤさん、お気持ちはうれしいんですけど・・・私、ユウヤさんと今日お会いしたばかりですし、いきなりそんなこと言われても困ります。
それに、私は千裕様にふさわしい女になるために、留学しにきたんです。
ですから・・・」
「詳しく知り合えたなら、形勢は変わるかもしれない・・・。
三崎が日本でどう活動しているのかは知らないけど、キサラギの力をすべて使って三崎を倒したらどうです?
規模はキサラギの方が圧倒的に上のはずですよ。
私はそれができる立場ですからね。
卑怯なのは承知の上です。
でも、そこまでしてでも・・・ひかるを手にいれたいと思いました。
ひかる、パティシエの修行は自由にすることはかまいませんので、お付き合いいただけませんか?」
「そ・・・そんな・・・。」