元気あげます！巴里編

「ひかる、三崎のことは気にしなくていい。
こういうフェアーじゃないことはうちの両親も兄弟みんな戦う姿勢でこれまでやってきたんだ。

それに、俺とひかるのつながりは会社とは無関係のところにあるからな。
びしっと断ってやれ！」



ひかるはしばらく、考えたあげくに、ユウヤにこういいました。


「ユウヤさんのこと、私はぜんぜん知らないし、ユウヤさんだって私のことは何も知らないはずです。
だから、３ヶ月でわかる限り、お互いを徹底的に知ることにしませんか？
興信所でもなんでも使って、お互いの情報を得るんです。

でないと、それこそフェアーじゃないと思ったんですけど。」



「そう・・・ですね。あなたがそういうなら、３ヶ月を期限としましょう。
いろいろ調べさせていただいていいんですね。
調べれば、私がひかるから手をひくと思っておられる過去をお持ちなのかな？

私もいいところの坊ちゃん育ちだけの人間ではないというのがわかるはずなので、しっかり調べてくださいよ。

３ヶ月の間、千裕さんとの差を見極めるため、デートにも誘いますが、それは許していただきたいのですが・・・。
もちろん、力づくでどうにかしようという手は使わないつもりです。

私もあなたに嫌われたくはありませんからね。」



「わかりました。」


「じゃ、今度あなたの休日にでも・・・。」



ユウヤはそういって、とりあえず去っていきました。


千裕はカンカンに怒って言いました。


「ひかる・・・どういうつもりだ？あいつが三崎に圧力をかけようが、おまえが心配することじゃない。
金や権力に負けるような経営は俺たち兄弟はしていない。」



「ごめんなさい。わかってます・・・でも、私ひとりのことで三崎の家や会社に迷惑かけたくないし、フェアーじゃないという点では、付き合ったことがないのに、これが嫌いとはいえないと思うんです。

３ヶ月くらいは知る努力をして、その間に三崎に圧力がかけられることなく、最良の判断を自分でしたいと思いました。」