元気あげます!巴里編

翌日、ひかるは工房でセルジュに昼休みに話があると言われていっしょに出かけました。


「千裕にきいたよ。軟禁されてるんだって?」


「軟禁だなんて・・・いつもどおりに出勤してますし、学校も通ってますよ。
セルジュさんも聞いていたでしょう。
3か月お付き合いをしてみるだけです。」


「なぜ、そんな気になったんだ?
まさか君が、男を物色してまわりたいタイプの女性とは思いにくいけど。」


「そんなことは・・・私。」



「千裕のために俺の誘いをガンガン斬っていく君が、千裕に飽きたから別の恋愛を・・・とも思えないし・・・。
何か理由があるのかな?」


「わかりません・・・。」」


「わからない?」


「ええ。わからないんですけど、今、ユウヤを放っておくのはいけないみたいだったので・・・。」



「へぇ・・・女の勘ってやつ?
ユウヤの何がひかるをひきつけるんだろうな。
3か月か。俺の部屋にもいてほしいけどな・・・。」



「えっ?」



「い、いや。なんでもない。
でもさ、千裕も心配してたけど、ひかるは男の性質というか、体質を知らなさすぎるからさ・・・俺もそういうのは反対。
一刻も早く、自宅にもどる方がいいと思う。
でないと、泣くのは君だ。
ユウヤの子を妊娠してもいいくらいに彼を愛しているというなら別だけどね。

あ、下世話な話だったかな。大きなお世話って言う?」



「いいえ。セルジュさんが心配してくださっているのは、ほんとにありがたいと思ってます。
まぁ、いざとなったらほら、千裕様お手製の発信機がありますしね。」


「なぁ、聞こうと思ってたんだけど、その発信機って半径どのくらいまでひかるの居場所がわかるんだ?」


「え~と・・・私は知らないです。
こういうのは、千裕様の趣味というか、その都度千裕流の工夫がされてるとか言ってましたけど・・・。」



「千裕流工夫ねぇ。」
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