元気あげます!巴里編
すると、それに気づいた、兄弟子のセルジュがひかるに千裕が誰なのか聞きました。
「あの、三崎に勤務している方でバザーの品をたくさん持ってきていただいたんです。
えと・・・ち・・・ヒイロさんです。」
「((ぶっ・・・))どうも、ひかるさんにはお世話になってます、ヒイロといいます。
この品々、使ってくださいと上司から言付かってきました。」
千裕もひかるにあわせてウソにつきあいました。
セルジュはヒイロに変装した千裕の顔を怪しげに見たものの、お礼をいってお土産の菓子を手渡し、その場を離れました。
「ふぅ・・・ひかる。・・・なんとかごまかせたかな。」
と千裕が後ろを振り返ると、あわわとびっくりした顔をしたひかるの隣に、笑顔のチーフが立っていました。
「やべっ・・・」
チーフのヴァレリーはクスクス笑いながら小声で言いました。
「久しぶりだね。まさか直接君が会いに来てくれるとは思わなかったよ。
しかも、たくさん品物まで調達してくれて来てくれるとは・・・。」
「ひかるが用意してほしいというから・・・。」
「なるほど。でも、そんなに大切なコならどうして自分で教えない?」
「いろいろと事情があるしな。それに、ひかるの性格を考えればわかると思うけど・・・」
「ほうほう・・・。ま、君の大切な人を私に任せてくれたのは光栄だがね、ここはフランスでここは国籍関係なしの弟子がいる。
私の目が届くところでは、男女のつきあいなど許さないけどね・・・一歩外に出てしまえば、管轄外となるから・・・それはそっちでなんとかしてほしいものだ。」
「そうだな。さっきのあんたのスタッフにすごい目でにらまれたしな。」
「そりゃ、そんな目立つ男がひかるにくっつけば、兄弟子としては守りもするだろうが・・・。」
「目立つ?・・・怪しい?」
「近いうちにまた酒でも飲みに行こう。そのときは、もう少し年相応で頼む。
はははは・・・じゃあな。」