元気あげます!巴里編

ひかるは千裕とチーフのやりとりが聞こえなかったので、何をしゃべっていたのかが気になって千裕に聞きました。



千裕はヴァレリーには面識があったことをひかるに話し、ヒイロに化けてもしっかりばれて笑われたと説明しました。


「そうだったの。先に挨拶しておけばよかったのに。」


「いや、それは・・・。できれば会いたくないタイプの人だから・・・。
過去にあの人と酒飲んだら、どんどんはしごしまくってさ・・・こっちは意識なくなるまでいかされて・・・翌日がもう・・・わかるだろ。
俺そんなに酒強くないから。」



「へぇ。もしかして、それで変装?
ごめんなさい。私のせいで、困らせちゃった?無理させてる?」


「気にするなって。それより、あんまり俺に近付くとまずいかもしれないゾ。
おまえの同僚さんたちが険悪な目で俺を監視してるようなんだけど・・・。」




「わっ・・・ほんとだ。けっこう怖い顔してる。
早めに戻った方がいいわ。」



ひかるはしらじらしく、ヒイロにお礼を言って同僚たちと片付けに入りました。


フランス人の同僚のミロがセルジュからバザーの品の提供者だと聞かされたといいました。

ひかるはすかさず、三崎のスタッフのヒイロだということを強調しました。


アメリカ人の同僚のルーイとクリスはヒイロが自分たちに近い感じの人物に見えたのか、ひかるにこんな話をしていました。




「俺たちが立派なパティシエになったら三崎の店で雇ってくれないかな。
べつに日本の店でもいいよ。」


「うん、ひかるの経営する店でもいい。ついでに給料もはずんでくれたら、ガンガン働いちゃう!なんてな。ははは。」



「もう・・・調子いいこと言って。故郷でお仕事するって言ってたくせに。」


ひかるは笑いながら話をしていると、カールが真剣な顔でひかるに小さな声で質問してきました。


「あのね、ヒイロさんってどの会社で働いてるの?」


「えぇ?」
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