元気あげます!巴里編
「メイド喫茶じゃないですってば!」
「あははは、それはそれで人気店になりそうかなって思ったんだけど。
イヤラシイ男客ばかりだと困るしなぁ。」
「そうですよ。そのお客様の中にボ~っとした化学の先生なんて混じってたりしたら、学校で大変なことになりますよぉ!」
「おぃ、勝手に変態教師にするな。
店については、焦ることもないからな。
場所を探しながら、自分の技術を磨きながら、俺に恋しながら、がんばれ。」
「はいっ。」
ひかるは残り2日の休みをお店の場所探しも兼ねて、近場で千裕とデートをして過ごしました。
「どうしたんですか?いっしょに歩くの嫌みたい・・・。」
「そんなことないけど・・・なんか・・・映画館とかショッピング街って俺にとってはかなり若づくりしなきゃなんないかなって・・・。」
「大丈夫ですよ。千裕様はおっさんに見えませんから。
どうしても気になるんだったら、ヒイロさんになって歩いてもいいですよ。」
「やだ・・・。ひかるの同僚みたいなヤツにくっついてこられて、根掘り葉掘り聞かれるのは懲りたからな。」
「あははは。それだけ、きれいってことなんだから、自慢できますよぉ。」
「そうかなぁ・・・。いや、女が着いて来るならいいけど、男が着いて来るのは願い下げだ。
コンタクトの色とかつらを変えないといけないな。」
「うふふふふ。」
「なっ・・・」
「楽しみにしてますよ。うわぁ・・・今度はどんな人かなぁ。
緑の目と金髪以外っていうと、白い髪の毛に紫の瞳とか・・・。」
「それじゃ、人間じゃないって・・・。」
そんな話をしながら、屋敷まで10mというところまでさしかかったときでした。
突然、目の前の角から一方通行を逆走する1台のワンボックスカーがひかるの方に突っ込んできました。
「あぶないぃぃぃ!!!」