陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「何って、散歩」

佐助の言葉に、小十郎は青筋を立てながらぎろりと佐助を睨みつけた。

「とっとと帰れ。これ以上顔を見せれば斬るぞ」

「おぉこわ。相変わらずだねぇ」

佐助がからかうように言うと、何処から取り出したのか、小十郎はひゅうんと佐助に向かって、鎌を投げつけた。

「ちょ、あぶな…!?」

思わず小十郎の方を見ると、忌々しそうにちっと舌打ちをする小十郎の姿があった。

「危ないでしょ!こんなもの急に投げつけてきたら」

佐助が驚いたような顔をして、ひゅんっと鎌を投げ返してきた。

「わぁ!」

思わず体をすくめる幸姫。
小十郎は微動だにせず、立っているわずか数センチ隣の床に刺さった鎌を、こともなげに手に取った。

「ま、いいや。今日は保護者が帰ってきちゃったみたいだから諦めて帰るよ」

ひらひらと手を振る佐助。


なんなんだ、この人。


あっけに取られた表情で見ていると、佐助がにっと笑った。

「また今度、遊ぼうね。幸姫様に片倉の旦那」

そういい残すと、佐助はどこかへ居なくなっていた。
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