陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
幸姫が聞いてきた言葉の意味が解らなかった。


…全く知らない世界。


全く知らない世界というのは、一体どんな世界なんだろうか。
正直、検討もつかない。


じっと様子をうかがっている幸姫に、俺は答えが見つからず、なにも答えられなかった。


ふと、幸姫のため息が聞こえた。


薄明かりに照らされて見えるその表情はあまりにも複雑すぎて、何を思っているのかを読み取れなかった。

「ごめん。変なこと聞いた。今のは忘れて」


短く呟くように言った幸姫。


だが、その問いは、俺の中でなんども繰り返されていた。



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