陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
城へ戻ると、門のところに仁王立ちになっている小十郎の姿があった。

目があった瞬間、ダムの放水のごとき勢いで小十郎に説教された。

早口すぎて、何を言っているのかわからなかったのだが、どうやら急に飛び出していったことに対して、かなり怒っていたようだった。



「あまり心配をかけるな」



ポツリと最後に言われて、思わず涙が溢れた。



「ごめんなさい」


こっちの世界でも、自分のことを心配してくれる人がいることが、幸姫にとっては嬉しかった。



小太郎も、小十郎も。
ほんとにごめんなさい。




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