田舎姫と都会王子
「小梅!小梅!」


俺が呼んでも返事も聞こえず、辺りを必死に探していると岩に掴まっている小梅の姿があった。


「小梅!」


小梅のそばに行って声をかけたが、小梅は何も言わない。


俺は息をしている事を確認し、急いで川岸に上げた。


「小梅。……小梅!」


川岸に上げ声を何回もかけると小梅はゆっくりと瞼を開けた。


「ん………かな…め?」


「小梅!」


俺は震える手で小梅を強く抱きしめた。


「良かった。心臓止まるかと思った。」


「かな……め。」


「何だ?」


「くる………しぃ。」


小梅を強く抱きしめすぎた俺は慌て腕の力を緩めた。
< 278 / 286 >

この作品をシェア

pagetop