BABY×DOLL
もう…抵抗する気も失せていた。

あたしは手術台に乗せられ、また足を開く。

今度は足をベルトで固定された。周りに並べられた無機質な手術器具。

それらで…あたしの子宮の中から、まるでゴミをかき出すかのように胎児を取り出すという事が簡単に想像できて

──怖かった。

そして、今さらながら自分の罪をハッキリと自覚するの

こんなのが許されていいハズがない

こんなの全然、簡単じゃないよ!

だって、まだ生きてる。あたしの中で、この子は生まれる為に細胞分裂を続けてるのに。

謝ったって許してもらえないほどの罪。

償えないほどの罪。

『でも、もうどうする事もできないの…』

あたしは子供に向かって心の中で弁解した。


「失礼します。少し痛いですよ」

そう言って腕に針を刺す。その先には長いチューブ。

そして鼻にも酸素の為にチューブを入れられ注射器を使って腕のチューブから麻酔を導入された。

「麻酔かけますね。一、二、三、四…」

──後悔していた。
だけどすべて、あたしが選んだ事だったの…


  『ごめんね』


看護師さん達の声が世界から消えていった。


あたしは
意識が遠のく前に一粒の涙を溢した…
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