伝えたい事がある


ってゆうか、お母さんのキンキンした声が寝不足のあたしにはキツい。


「…うるさ。」


2階にあがる為にはリビングを通って行かなくちゃいけないから、あたしはこの中に入って行かなくちゃいけない訳で…。絶対めんどくさくなる気がするけど、大きく深呼吸してからリビングに向かった。


「じゃあせめて会社に慣れてからにするとか…。兎に角、彩乃にはまだ早いわ。」

「私はもう高校生じゃないのよ!」


いつも大人しいお姉ちゃんが大きな声で反抗したことにびっくりしたのか、お母さんの声が止まった。

タイミングはここでしょ。

「ただいま。」

「あら、おかえりなさい。」

「上で寝るから、起こさないでね。」


それだけ言って2階に上がろうとしたら。


「ちょっと待って。」


案の定止められた。


「咲陽、あなたからもなんとか言って。彩乃が1人暮らしするって言うのよ。」

ほら。こうなるのが分かってたから、リビングに入って来たくなかったのに。寝たいのに。


「いいんじゃないの、別に。」

「良くないわ。咲陽が1人暮らしするなら未だしも彩乃なんて。お料理もできないし掃除も1人じゃろくにできないじゃない。」


いや、むしろそれはあたしなんだけどね。お母さんはそれだけお姉ちゃんを手放したいって事か。過保護過ぎるでしょう。

池谷先輩といい親といいお姉ちゃんの回りは過保護な人ばっかりだね。


「私は…!もう自立したいのよッ!!このまま家にいて親に甘えて過ごすの?良いじゃない、1人暮らしぐらいッ!もう…、なんでわかってくれないのッッ!」



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