伝えたい事がある
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無事にテストも終わって今はリナと大学の食堂にいる。あたし的には手ごたえがあったから良かったものの、リナはそうでもなかったみたい。
「今回テストやばかったら、本当に単位落とすの?」
あたしが見る限りリナは本当に落ち込んでる。リナとは高校でずっとクラスが一緒だったから良く分かるけど、テストがある度にヤバイとは言ってたもののそれなりの成績は維持してたからこの大学にも入れたわけで。
世の中、頭が良い人が2種類に別れる。・・・とあたしは思っている。明らかに勉強しています。っていう風貌で頭が良い人と、明らかに勉強してなさそうなのに頭が良い人。リナは有無を言わせずに後者。リナ曰くあたしは前者。
でもあたしは家ではそりゃ勉強するけど高校では休み時間に勉強することなんてなかったのに。それでもリナは「体中から勉強できます。ってゆうオーラが滲み出てるんだよ。」ってお決まりのセリフであたしの考えを真向から否定した。
「落とすんじゃないの。例年通りなら。でもあと課題が残ってるからそれで挽回できなくはないかも。どうせリナのことだからヤバいって言っても課題で挽回できない程じゃないだろうし。」
「・・・それが今回は本当に危ういんだけど。課題でやるしかないよね。」
「だろうね。課題、一緒にやろうよ。レポートでしょ?」
「うん!一緒にやってくれるとすっごーい助かる。」
リナがあたしにキラキラした目を向けてきた。
「でもリナ、今回はあたしのは見せないよ。ってゆうかね、レポートの題材が違うの。」
「何それ!どうゆうことよ。」
「あたし、この講義あと1単位ほしいの。だから教授に聞いてみたらこの題材でレポートやって出来が良かったらあげるって言われたから、それやるのよ。」
「ええええええ。何それえ。いつも咲陽が頼みの綱だったのにー。それにしても教授のお気に入りだとそうも扱いが違うもんなのー。」
「リナだって教授に言えばそういう風にしてくれるかもよ。あたしだけじゃないと思う。」
「いや、それはない。わたしみたいに成績が低いやつにはそんなサービス精神はないって。」
「じゃあ、勉強頑張ればいいじゃん。」
「わたしはね、大学に来てまで勉強勉強ってがっつくなんて、絶対いやなの。」