兄貴と私の恋愛事情
思い起こせば、あの日。
兄と離れたくて私は青葉じゃない学校を受験した。
「じゃあ行ってきまーす。」
合格発表の日、私は普通に家を出ようとした。
「希魅。」
兄、準太に声をかけられた。
「…なに?」
「受かってるといいな!」
ぐっと親指をたてて、さらにあのポーカーフェイスな準兄の爽やかな笑顔。
(やばい、絶対落ちる。)
そんなマイナス思考にどんどん切り替わっていく。
「…いってきます…。」
朝からテンションがガタ落ちのまま合格発表を見に行くのだった。
合格していると淡い期待を抱いて。