ペットだなんて、言わないで


 俺は急いで顔を上げた。


「この鈴の音……」


 見回しても、誰も居る気配が無い。

 ここらへんだけ、闇にすっぽりと包まれているかの様に暗かった。


「渉」


 声のする方を見ると、人影が見えた。


「……ハル、か?」


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