声恋 〜せいれん〜
「…あ! そうだ! わすれてた! …ハイこれ! お誕生日おめでとう!」
あわてて紙袋を差しだす。
「あ、…ありがとう。まさか桜木さんそんな気をつかってくれるとは思わなかったよ」
「へっへ~、いつも声優のお勉強のお手伝いしてもらってるしね!」
「じゃ、あけるね…、あ! マフラーじゃん。へぇ、色もいいし。ちょうど欲しかったんだよね。もうすぐ寒くなるし」
「よかった~、気に入ってくれた? なかなか何にするか決まんなかったんだよね。一回エリカとありさちゃんと買いにいったんだけど決まらなくてさ~。あせっちゃったよ。 女の子同士だと、つい別のものに目がいっちゃって…でも気に入ってもらえてよかった!」
「うん、ありがとう。使わせてもらうよ」
そう言った優一くん…本当にうれしそうだった。うん、よかった。