声恋 〜せいれん〜




「はぁ〜? なんだそれ、ふざけてんのかぁ? 男と女の間には、師弟も友達もない! そういった気持ちはいつか必ず、恋に変わるんだ!」




「もぉー、先輩、優一くんのお姉さんみたいなこと言いますね〜。その人、恋愛のカリスマなんですよ〜」




「べ、べつにあたしだって恋愛に飢えているわけじゃないんだからね! たしかにいまいないけど! なんか必死っぽく思われてるけど! ぜんぜんヨユーですから! アイラブアローンですから!」




「先輩必死すぎ〜」




ああ、おかしい。久しぶりにこんなに笑ったよ。最近あんまり、笑ってなかったから…。




…でも、なんだろ。




この胸の奥にある、空白。



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