声恋 〜せいれん〜




「よーし、いいかんじになってきたよ~♪」




くつくつと幸せそうな音をたてて、カレーが煮込まれてる。そろそろいいかな~?




「…いい匂い」




「ねーちゃんが作るのはだいたいカレーかシチューか肉じゃがだからな! 子供じゃねーんだし、たまにはもっとすごいの作ってくれよな!」




「中3はまだ子供でしょうが! もぉ〜、ごめんねー、なんか普通で」




「いや…いい。こういう家庭的なのって、あんま食べたことないから」




「え? だってお母さんが…あぁ、そっか。お母さんの料理の腕がすごすぎて、きちんとしたお店みたいになっちゃうんだね~。くぅ~、ある意味嫌みだわ」




「…家庭的な料理を作れる子の方がいいよ。きちんとした料理なんてどこでも食べられるし…もうすぐごはん?」




「うん、あとサラダ作るね~。あ、そうだ! ほらテレビ! もうすぐサッカー始まるよ!」



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