声恋 〜せいれん〜
演奏が終わってメンバーがひっこみ、わたしたち声優陣が入れ替わりで舞台にもどる。
そのすれ違いのすきに、蓮也さんが話しかけてきた。
(陽菜っ…)
(…)
(おいっ、陽菜っ…えーっと、あのときは、悪かった)
(わかっております。ていうか、あやまらないで、蓮也さん。あなたのいいたいことは、すべて伝わりましたから)
(じゃあなんでそんなにツンとしてんの?)
(ツンとしてなんかいませんよ、それより声優のお仕事も、塔子さんに負けないようにしっかりがんばってくださいね。ていうか、わたしにも負けちゃうんじゃないですか?)
そう…あなたに追いついて、並んで、いつか追いぬいてみせますからね。だから…見ててくださいね、蓮也さん。
わたしはすず仕込みの“ニヤリ”と不敵な笑みを浮かべた。
そしたら蓮也さん、一瞬おどろいてからププって、吹きだしてた。
その笑顔を見たら、わたしまでププって吹いちゃったよ。