声恋 〜せいれん〜




あのコンビニに入ると本当にききなれた声が聞こえてきた。




「いらっしゃいませ〜っ、て陽菜!」




「陽菜、じゃないよぉ! どうしたのよ、仕事は?!」




「あっちはもうやめたの! いまはこれがすずのお仕事だもん!」




はあ〜、とため息をつく。




「あのねえ、すず。あんたがこのコンビニで働いたからって光紀さんがもどってくるわけじゃないんだからね」




「でも…でも…なんにも、手がかりないんだもん…ここしか二人がつながれる場所がないんだもん…」




うう…レジで泣くなよ…店員だろ…みんなジロジロ見てるよ…てか店長もアイドルを簡単に雇わないでよね…。




でも…わかる、わかるよすずの気持ち。




大切な想いを伝えずに別れる苦しさ。かすかな思い出にしがみつく気持ち。




だからって奇跡は簡単に…。




ウィィィイン。




「あれ〜、すずちゃんじゃない、なんでこんなとこにいるの?」




って、光紀さん?! 奇跡かんたんに起きすぎてないか?! クリスマスが近いからですか?!





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